
員の新規採用が停止されたため漸減しており、R系のW/Oとともに、一部に要員不足が起きつっある。 3. 近代化の課題と今後の方向
近代化は幾多の成果を挙げてきたが、取り巻く環境には厳しいものがある。近代化実験に一応の区切りをつけるに当たり、残された課題と今後の方向について整理すると次のように考えられる。 (1)将来の外航船員像 近代化が当初目指していたものは、少数精鋭の日本人船員フル配乗による船舶の運航であったが、現在は近代化船においても混乗船が主となっており、日本人船員は、技術面及び管理面の指導者としての役割を果たすことが求められている。さらに、陸上において、物流や船舶管理に当たる管理者としての役割を果たしていかなければならない。 今後は、海陸両用の海運技術者として、幅広い活躍が期待されている。 (2)教育制度 現在、教育機関においては専攻コースに加えて反対コースの知識・技能も持つという甲・機両用教育が行われているが、乗船機会の増えている混乗船においては原職中心の就労体制となっており、そのギャップが指摘されている。しかしながら、混乗船における技術面及び管理面の指導者としては反対職の知識・技能は有用であり、さらに、陸上における船舶管理技術者としては反対職の知識が必要である。 教育制度については、別途具体的な検討が必要であるが、現行制度の基本を継承しながら、問題点を改善していくことが望まれる。さらに、海陸両用の海運技術者の養成については、教育機関と船社の役割分担も検討する必要がある。 (3)技術革新への対応 船舶に関する技術は日々革新されていることから、それに対応し、運航技術の向上のため、不断の努力を続けていく必要がある。近代化の成果を活用しつつ、関係者それぞれの立場で取り組んでいかなければならない。 (4)近代化システムの継続 近代化実験に一応の区切りをつけることとなったが、近代化が果たしてきた大きな役割は正当に評価されなくてはならない。これまで構築してきた近代化システムは継
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